市 民 公 開 講 座

市 民 公 開 講 座

 

「がんは怖くない」


奈良健康づくりセンター
大石 元 先生


司会 大阪がん予防検診センター  山崎 秀男
湯川研一消化器クリニック  柏木 秀樹



がんは怖くない
「がん検診を受けましょう」
「がん検診はがん死亡率を減少させます」
「先進国でがん死亡率が増加しているのは日本だけです」
「がんを防ぐための12ヵ条を実践しましょう」 「わずかな症状に気をつけましょう」
「がんの危険信号8ヵ条とは?」

平成20年度人口動態統計によると、がんによる死亡者は34万2849人、なんと約92秒に一人ががんで亡くなられていることになる。 とくに働き盛りの人たちがばたばたとがんで亡くなっている現状は社会的な問題である。がんで死なないためには、 まず、がんにならないように自身で努力することで、これには「がんを防ぐための12ヵ条」が知られているので概説する。 さて、がん死亡者数が多い理由として、日本が世界一長寿国であること、がんは大きくなるまで症状がでない、 わずかな症状に気づいても病院に行かない、発見されたとき多くは進行がんであるなどなどが挙げられるが、 もっとも重要な理由は日本人の多くががん検診を受けないことである。先進国のなかで日本だけががんで亡くなる人たちが 増加しているのもこの理由による。

厚生労働省は平成19年4月1日付けで「がん対策基本法」を制定した。本法には、がん対策に対する国、地方公共団体、医療保険者、 医師などの責務に加えて国民の責務も「国民はがんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、がん検診を受けるよう 努めなければならない」と掲げている。がん検診を受けることでがん死亡率が減少することが証明されたからである。 また、がんを診断する手法も近年著しく進歩しており、小さな助かるがん(早期がん)を正しく診断できるようになった。 がんで死なないためには、がん検診を受けることにつきる。

一方、昨今の日本人は忙しすぎる。わずかな症状に気づいても「病院へ行く時間などない」という方々が多い。 わずかな症状がきっかけで早期の癌が発見できる場合も少なくない。この意味で、国立がんセンターが提唱している 「がんの危険信号8ヵ条」を認識しておくことは重要である。わずかな症状がきっかけとなって助かる早期のがんが 見つかればもっけの幸いである。