[8月例会]
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第221回9月度例会 活動風景  2004.9.4

[10月例会]
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 沖縄から北海道までを暴風雨に巻き込んで走り去った台風16号.殆んど同じコースを辿った18号.共に多くの死者を含む大きな被害をもたらしました.特に今回の台風は風が強く大潮の時期と重なり,高潮のために床下,床上浸水する地域が多かったようです.皆様方の地域は如何でしたか?早期の復旧を願っております.
 さらに近畿では大きな地震があり,神戸大震災の記憶が呼び起こされ,大いに驚かされました.幸いにも大きな被害は無く良かったのですが,これが南海地震の前兆でないことを祈りたいですね.
  台風も去り,なんとなく秋の気配を感じるようになりました,朝夕は涼しくなり,私の勤務する病院の周りも赤とんぼが飛び回っています.秋といえば秋祭り,私の住む岸和田市ではだんじり祭りが行なわれました.相変わらず凄い人出です.最近は遠方の方々も多数来られ凄い熱気です.なにしろ岸和田っ子はたとえ台風でも祭りはやめません.盆,正月よりもだんじりですからね.祭りが終わればもう来年の祭りの準備という感じです.ブラジルのリオのカーニバルの人々も同じみたいですね.という事は,岸和田っこはラテン系なんでしょうか?
 それでは,我々も一年中研究会という乗りで頑張りましょう.スタートです.

今回の参加者は 72名です


プログラム1 前回第1症例の解説

 本田会長が解説されました.
胃角の開大について,腹臥位では腰椎での圧迫があるため,今回の症例では立位の方が良いとのことでした.空気少量像はfold が強調されやすく,バリウム少量圧迫はあてにならない.バリウムが多く,空気をいれない状態の圧迫が一番良いと説明され,今回は,陥凹の深さで深達度を読む症例であると解説された.
  


プログラム2 症例検討第1症例

  井上(清)幹事が司会を担当しました.三宅(祐)会員が指名されました.最初に間接写真が提示されました.

前庭部前壁大彎寄りに陥凹性病変があるとしたが,司会者より針金胃模型で説明を受け 後壁にあると変更した.強い圧迫でも病変が残っており,ある程度は深い.ギザギザした辺縁ではなく,蚕食像もない.良性潰瘍か?
田中(幸):辺縁は不整な部分があり,ヒゲ状の飛び出しもある.周りは隆起様,顆粒も存
  在する.それとは別に,胃角から体下部後壁に集中を伴う不整形の陥凹性病変がある
 精査写真での読影
病変は前庭部後壁大彎寄りにある陥凹性病変,大きさ3×3cm.陥凹は深く,口側は内に凸でギザギザした辺縁で,肛側は大きな変化はあるが細かいギザギザはない.陥凹底には顆粒が一つあり,平滑である.集中はない.硬さについては,圧迫で大きさ・形に変化なく硬い.側面像では少し変形がある.病型はIIc,硬さはあるが進行癌ほどではない.
田中:体下部から胃角にかけての病変は,はっきり指摘できないが圧迫で壁変化があるので瘢痕があると思う.前庭部の病変は,側面像でも壁変化が無く柔らかい病変である.辺縁に飛び出しがあり蚕食像と読む.深さが二段になっていて,肛側部分でSMに入っているのではないか.IIa+IIcSMと思う.ヒゲ状の飛び出しがあるので分化型.

詳しい結果は<限定ページ> をご覧下さい.

プログラム3 レクチャー 初級講座 「胃潰瘍・びらん」

 本田会長によるレクチャーです.
内視鏡写真の読影について説明され,ホームページの池島重太先生による内視鏡のレクチャー(内視鏡のいろは)を紹介しました.
 次に,マクロの読影について切除術式,切開方法の見分け方を説明された.ミクロの読影について弱拡大〜強拡大について説明.胃陥凹性病変の鑑別についての説明.潰瘍,びらんとは,組織欠損の深さの違い.潰瘍の深さによる分類(村上の分類)を説明された.
詳しくは限定ページ,レクチャーを御覧下さい.<限定ページ>


プログラム4 第2症例検討
 蓮尾幹事が司会を担当しました.
三浦,野中両会員が指名されました.
立位,腹臥位充盈像のチェック
野中:立位充盈像で胃外病変はない.辺縁はチェックなし.体上部二重造影部分のバリウムのはじきを3番でチェック.腹臥位はノーチェック
三浦:立位,バランスは良い.同じくはじき部分を3番で,前庭部小彎線部を4番でそれぞれチェック.腹臥位はノーチェック.
柏木:体下部大彎部分のラインの直線化を立位,腹臥位共に2番でチェック.
田中(幸):前庭部から幽門前部小彎,大彎共に3番でチェック.
 全フィルムによる読影
三浦:胃角後壁中央に隆起性病変があり,その大彎側に集中点がある.小彎側は山田W
   かVの茎かと思ったが,どの写真でも動いていないので否定できる.隆起は小彎
   側に向かってなだらかに下っている.
野中:病変は胃角後壁に15mm の隆起.大彎側が高く立ち上がりが急峻で,小彎側に向かってなだらかに下る,その横にfold 集中,大彎側に陥凹性病変のエッジが見られる隆起+陥凹性病変.
小川:誰も言わないが食道に隆起性病変がある,必ず食道の写真は見ていただきたい.
三浦:15mm の隆起で立ち上がりは全周山田II型.大きさ的にはadnoma でもよいが表
   面にゴツゴツした感じがありIIa.その周りに浅い陥凹がありIIc.肛側の範囲
   は良く解らないが,IIc+IIaで深達度はIIcはM,IIa部分でSM.
野中:同じく隆起の周りに浅い陥凹があり,隆起の一部が陥凹にかかっている,IIc部
   はM,IIc+IIa.
井上(啓)大彎側の陥凹のラインは蚕食像である.肛側は見にくいが範囲が追える.広い
   IIcの中に集中が出来て,その部分がIIa化したのでは.普通はあり得ないがそう
   考えざるを得ない.IIc+IIa,隆起部分でSM,陥凹はMである.
柏木:隆起のエッジがはっきりしているIIaとして,それだけはっきりでるのか,私は
   陥凹のエッジが下からの盛り上がりでそう見えるのではないかと思う.
小川:圧迫で最初は隆起は山田W型かと思ったが違う.周りをIIcととるかだが,私はとらない.fold が入ってきているが,その部分で段差がない.そのラインが出たり
   出なかったりすることから,IIcはないと考える.IIaの横に瘢痕がある.
田中:集中する部分でIIc,狭い範囲のIIa+IIc.
   結果は、IIaであった.
 最後に小川相談役の一言.
小川:素直に読めばいい.
 


(福本 弘幸)

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